川勝知事への要望書「新型コロナウイルス対策に関する緊急要請について(その2)」提出

                 令和2年7月30日

静岡県知事 川勝平太 様

                              自民改革会議
                              代    表   中沢公彦
                              副  代  表    渡瀬典幸
                              政務調査会長  鈴木澄美



        新型コロナウイルス感染症対策に関する緊急要望(その2)



 県内における新型コロナウイルス感染症は、4月以降感染者数が緩やかに増加し、いったんは発生が抑制されたかのように思えたが、最近の熱海市及び浜松市で発生している新型コロナウイルス感染症の複数のクラスターにより、県内の感染者数は一挙に増加し、憂慮すべき状況を迎えている。
 感染源は県外が多いとされるがこのままの状態が続けば市中感染の危機も免れない。
 本県の新型コロナウイルス感染症対策本部は、7月27日開催の県感染症対策専門家会議において「感染移行期・後期」に相当すると考えられると評価したことから、警戒レベルを「レベル4(県内警戒・県外警戒)」に引き上げ、今後の対応方針を決定し必要な対策を実施するとしている。
 自民改革会議では、クラスターの発生状況から緊急的に取り組むべき課題を抽出し、県に対し迅速で的確な対応を求め、別紙のように要望する。




1.感染拡大防止対策の強化について

 ①感染施設の公表について
  県が作成した「新型コロナウイルス感染症拡大防止のための店舗名等公
  表の目安」の適用は、個別具体的に検討し判断するとしているが、曖昧
  さを感じる。
  県内発生クラスターとその後の感染防止体制の状況から、公表の意義は
  大きく、市中感染を防止するために、また業界等の風評被害を最小限に
  とどめるためにも事業者の理解と協力を得るよう強く働きかけをすべき
  である。

 ②感染者受入施設の確保について
  県の感染病床および軽症者療養施設の整備計画は、既に4月から取り組
  んでいるが軽症者療養施設は静岡市内1か所であり、遅々として確保で
  きない現実を憂慮している。
  今後のクラスターの発生状況や軽症の高齢者を療養施設ではなく医療施
  設に収容する必要性などを考慮すると、各施設の必要数は一刻も早く確
  保すべきであり、県内市町にも現状を共有し協力要請すべきである。

 ③PCR検査等の検査体制の拡充について
  クラスターの封じ込めにPCR検査は欠かせない。
  PCR検査能力は増加しているが、具体的に検査能力がどこまで可能か、
  変化する感染者数に対応できるか、クラスター発生による検査の急増に
  対応できるのか、短期間での検査が可能か等、常に把握し耐えうる体制
  を維持すべきである。

 ④感染者移送時における救急隊の感染防止対策について
  感染患者の移送は本来県が実施すべきものであるが、医療機関から感染
  症指定医療機関への搬送は、県からの要請により消防本部の救急車で搬
  送するケースもある。
  救急隊員の感染防止のため、搬送用アイソレータ装置の整備ならびに貸
  与を求める。

 ⑤国のウイルス接触確認アプリ「COCOA」の活用を広く県民に要請す
  ること。

2.防災上の感染症対策について

 ①避難所の感染防止対策の検証について
  最近、県内では長期に渡り各地で豪雨が発生し、その度に避難所が開設
  されているケースがある。
  県は避難所の感染症対策に向け、7月上旬に避難所運営ガイドラインを
  策定し公表した。
  この取組の効果について直近の避難所において検証すべきである。

 ②被災地支援に参加するボランティアの確保と感染防止について
  熊本県の豪雨災害を例に、感染症が蔓延している状態での被災地復旧の
  ためのボランティアの確保と感染対策について検証すべきである。



3.経済活動支援について

 ①「バイ・シズオカ~今こそ しずおか 元気旅~」の周知徹底について
  事業の中で宿泊に関する関心は高いものの、周遊に関する特典などは、
  まだ多くに周知されていない。
  事業内容を広めるための広報活動を積極的に行うことが必要である。

 ②制度融資の期限延長について
  現行の新型コロナウイルス感染症対応の制度融資は、期限が10月31
  日までとなっておりこの延長を求める。

 ③感染症の影響による倒産・廃業への実態調査と対策について
  制度融資が一巡し当面の資金確保にメドが立っている企業がある一方で、
  先が見えない感染症による経営難から倒産や廃業に追い込まれているケ
  ースも生じている。
  その実態調査を進めるとともに、事業継続のための既往債務の返済猶予
  等の条件変更に対する配慮などの対策を求める。

                                          以上